審査結果(2022)


(2022年大会・会場参加者の集合写真)

2022年大会の模様と審査結果


 16回目を迎えた2022年のGNSS・QZSSロボットカーコンテストは、3年ぶりとなる東京海洋大学グラウンドでの実走(会場参加)と、2020年から続くリモートでの参加(動画参加)のハイブリッド開催となりました。10月22日(土)に行われたコンテストと審査会の結果をお知らせします。

 

◆オンライン部門・動画参加

 会場参加と同じ走行ルール「ダブルパイロンREIWA」を想定したロボットカーを制作し、走行シーンを含む5分程度のPR動画をYouTubeにアップ、そのURLを事務局に通知するという形での参加というスタイルです。
 高専生・大学生・社会人から6チーム7台がエントリーし、うち審査会前日までに6台分の動画がアップされました。

 

 

 審査の結果、エントリーNo.15名城大学メカトロニクス工学専攻チームの「MJ 2022」殊勲賞が、エントリーNo.04鳥羽商船高専・賭場羅慈懇會(とばらじこんかい)の「T○BA-MARU」審査員特別賞が与えられました。

 さらに今回は会場参加(実走)するチームからも5台の動画がアップされており、あわせて10台分をこちらで紹介しています。これからチャレンジしようというみなさんにも、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

◆東京海洋大グラウンド実走・会場参加

 会場となった越中島キャンパスの第1グラウンドは、ふだんはサッカー部やラグビー部の活動場所であるため、小径タイヤで走るロボットカーには凹凸が過酷なコースです。また今年はエントリー9台のうち初参加が5台。加えて参加者・ギャラリー・スポンサーなど関係者が一同に会しての3年ぶりの開催であり、オンライン部門の参加者に向けたZOOMによる会場中継も行われるなど、緊張感の高まる競技開始となりました。

 

 

 各チーム2回の走行を終えての走行獲得ポイントと順位を表に示しました。

 

 優勝は令和の爆走王の異名をとるTeam Katy「arend-F」。例年どおり・期待どおりのダイナミックな走りに加え、今年は液晶タッチパネルでステータスモニタやコマンド操作が可能になるなど、操作性も高めたさすがの完成度。走行中はモーター音のトーンが波打つように上下し、積極的な速度制御を行っていることも伺えました。松岡審査委員長の「群を抜いていた」とのコメントも納得のダントツ優勝でしたが、チームによると「当日朝の試走でいきなりサスペンションが折れ、急いでスペアマシンのものと交換した」など、舞台裏のドラマもあったようです。大会に向け開設された参加者の技術交流のためのチャットルームでも、多くの有益な経験談を語ってくれるなど、交流を盛り上げてくれました。ちなみに"arend(アーレント)"はオランダ語で鷲を指す言葉だそうです。

 

 準優勝は、小山高専(栃木)「CTO γ-type」でした。小峰無線電機製の多周波アンテナをボディ中央に搭載、u-blox F9PモジュールによるRTKの測位で走行するマシンで、先輩たちの経験値を引き継ぎながら、大きく性能を向上させたそうです。非常に安定した走行に加え、フィニッシュでも中央マーカーからわずか15cmの距離に停止。場内からの拍手とボーナスポイントを獲得しました。

 

 第3位は初参加の2021年大会で最優秀賞を受賞した愛知総合工科高校専攻科Ben2Panda「Ben2系こだま号」でした。同チームは同校専攻科の授業の一貫として、異なる学科の生徒が集まりマシン制作に取り組んでいます。昨年からメンバーは入れ替わり、ベース車両もホンダNSXからメルセデス・ベンツG500に、制御用マイコンもより高性能なLatePandaデルタに変わっていますが、受け継いだ経験値とメンバーの創意工夫が生かされており、撮影アングルによってはほんとうに実サイズのクルマが? と思えるほどの安定した走りっぷりで高得点を叩き出しました。

 

 審査員特別賞を受賞したのは、奈良高専無限廻車でした。オリジナルのシャシーで4輪を独立に制御し、超信地回転(その場での旋回)ができるという特徴あるマシンです。測位モジュールにはu-blox F9PとD9Cを使用しCLASによる高精度測位で走行します。ゆっくりと移動し、停止してはその場でクルリと方向転換を繰り返すさまはユニークかつ優雅で魅力的でした。1回めの走行では途中1輪が脱落するアクシデントもありましたが3輪のまま走行を続け、停止時には中央マーカーから19cm、ちょうどL1・1575.42MHzの1波長と同じ距離でピタリ停止というご愛嬌。さらに2回めの走行では中央マーカーの真上(0cm)で停止と、CLASのパワーを見せつけてくれました。

 

【賞品贈呈】

閉会式では、各賞受賞者に表彰状とともにスポンサーからの賞品が贈呈されました。

また副賞の「岩城農場・2022年産新米10kg」は、同じ栃木県内の小山高専チームには一足先に直接届けられました(写真)。副賞の新米および、オンライン参加の優秀賞受賞者への賞品、参加の皆さんへの記念品などは、順次発送されます。到着をお待ち下さい。